メーカー直伝「ハリオV60 ハンドドリップコーヒーの淹れ方」 ドリッパー徹底比較

ライター: ito

商品紹介

今回は、現在の&(COOK)ドリンクカテゴリーで一番取り扱いのある、「ハリオ」の中から厳選して4つのドリッパーを比較です。

ハリオのベテラン営業マン岩垣津さんにお越しいただき、実際にコーヒーを淹れてもらいながらドリッパーについて教えていただきました。

やはりメーカーの方。
コーヒーのプロです。
とてもとても勉強なりました!!

それでは!ハリオ式コーヒーの基本から岩垣津ポイントまでご紹介していきます!

<ドリップの前に>

最初に、「紙フィルター」について少し。
ハリオの茶色(みさらし)と白色(酸素漂白)のフィルター。
どちらを選ぶか迷う方、多いのでは。

詳しく聞いてみると、
現在この2種類に違いはないそうです。

昔は白色のフィルターは塩素系漂白を使用していましたが、現在は安心安全の酸素漂白になっており匂いもありません。
自然な風合いのブラウンカラーと、清潔感のある白色で自分の好みで使い分けてください。
世界中のバリスタはコーヒーの抽出度合い確認するため白色のフィルターをよく使用しているそうです。

ちなみにハリオのペーパーフィルターは国際的な非営利団体である森林管理協議会の認証制度「FSC認証」を取得しています。

ドリッパー比較

左から、基本の「V60透過ドリッパー」、
はじめてにおすすめ「ドリップアシスト」、「MUGEN」、
世界チャンピオン監修「粕谷モデル」

ハリオ式コーヒーの基本である「V60透過ドリッパー」からご紹介です。

■V60透過ドリッパー

ハリオ基本のV60ドリッパー。
2010年にワールド・バリスタ・チャンピオンシップで優勝したバリスタが使っていたことで、アメリカをはじめ世界で注目を浴びるようになり、今ではスタンダードなドリッパーとして世界中で使用されています。

【使い方】(ハリオ式コーヒー基本の淹れ方)
コーヒー粉:約40g 中~中細挽き
湯量:約600ml (4杯分)
お湯の温度は90℃を使用しました。

※3分30秒以上は雑味が出るため、3分30秒以内での抽出が理想的です。
(30秒蒸らし+3分以内注湯)

①ペーパーをセット、お湯を注ぐ(リンス)

容器を温める、そして注湯の際にコーヒーの成分を紙にしみこませないようにするため、全体にかかるよう回しながら注ぎます。
サーバーに落ちたお湯は捨ててください。

②コーヒー粉を入れる

入れたら平らになるようならしてください。

③蒸らし
全体が湿る程度にゆっくり注いで30秒蒸らします。

④中央から注湯

point:この時、ドリッパーのリブにより端から空気が抜けています。
お湯をかけてしまうとスムーズな抽出ができないので端にはかけないよう注意です。

⑤完成

point:コーヒーの苦みは抽出中持続しますが、コーヒー豆本来の持つ酸味・甘味は約30~60秒ほどで終わります。出来上がりは混ぜて飲むと良いです。

【特徴】

v60は底面が大きな一つ穴とスパイラルリブでお湯の通りが良いため、よりネルドリップに近い抽出となります。

お湯を注ぐ速度が速いとあっさり、ゆっくりだとコクのある味というように、
豆だけでなく、注湯の仕方でもコーヒーの味はは大きく変わります。
V60はシンプルだからこそ淹れ方で、味に大きく変化を出すことが可能。
コーヒーを淹れながら自分好みの味を研究できます。

自分の好みのコーヒーを淹れるため、
休日などゆっくりとした時間を過ごしながら使いたいドリッパーです。

ハリオ V60透過ドリッパー クリア

■ドリップアシスト

ドリッパーの上に穴の開いた蓋がのっています。
この上からお湯を注げば理想的にコーヒー粉に注がれます。

【使い方】
コーヒー粉:約40g 中~中細挽き
湯量:約600ml (4杯分)
お湯の温度は90℃を使用しました。

①ペーパーをセット、お湯を注ぐ(リンス)
②コーヒー粉を入れる
入れたら平らになるようならしてください。
③蒸らし
全体が湿る程度にゆっくり注いで30秒蒸らします。
ここまでV60透過ドリッパーと同じ
point:内側の穴からお湯を注ぐだけでもできるので、初心者のかたにはこの方法がおすすめです。

④ランダムに注湯

内側と外側、どちらにもお湯がいくようにランダムに注いでください。

※今回、岩垣津さんは説明書とは違うやり方で抽出してくださいました。この方法でも美味しいコーヒーが淹れることができます。

【特徴】

外側についている穴が小さく、内側が大きくなっているため、
濃い目が味わいたいときは、外側の穴から多く注湯しゆっくり抽出させるというなアレンジも可能。

ドリップで一番重要な注湯。
初めてではなかなかうまくできませんが、ドリップアシストなら失敗なくできます。

蓋の下についているドリッパーは「V60透過ドリッパー」です。
最初はドリップアシストを使い練習し、慣れてきたら外して使うことができるので、初心者の方におすすめです。

ハリオ ドリップアシストセット

■MUGEN

ドリップケトル不要でお湯を一度に注ぐだけで簡単に淹れられます。

【使い方】
コーヒー粉:25g 中細挽き~細挽き
湯量:300ml (2杯分)

①ペーパーをセット、お湯を注ぐ(リンス)
②コーヒー粉を入れる
入れたら平らになるようならしてください。
ここまでV60透過ドリッパーと同じ
③注湯

point:300mlのお湯を15秒間でうず状にドバっと注湯してください。お湯の温度は90℃~95℃が理想です。

※MUGENはお湯をためるので蒸らしはいりません。

④完成

お湯が落ち切れば完成です。
抽出後は理想的な形になっています。
(今回は細かく挽きすぎ、崩れてしまいました、、、)

point:3分程度で抽出が終わるのが理想です。落ちるのが遅ければ荒く、早ければ細かく、コーヒー粉の粗さを調節してください。

【特徴】
基本のv60はドリッパーの中でお湯とコーヒー粉が対流しますが、MUGENは空気の逃げ道が少なく、お湯が落ちにくくなっているため、ドリッパーの中で対流しません。

その結果少しあっさりとした味わいになるので、かき混ぜると対流し、よりv60に味わいが近づきます。

ドリップアシスト同様に、注湯で失敗することはなく、
さらにドリップケトルもいらないので、初心者の方におすすめ。

また、手軽に安定した味が楽しめるので、朝など忙しい時間にもおすすめです。

■粕谷モデル

WORLD BREWERS CUP2016年度優勝者(アジア初)・粕谷哲氏プロデュースによる「粕谷モデルシリーズ」のドリッパー。
4:6メソッドという淹れ方で抽出していきます。

【使い方】
コーヒー粉:40g 粗挽き
湯量:600ml (4杯分)

①ペーパーをセット、お湯を注ぐ(リンス)
②コーヒー粉を入れる
入れたら平らになるようならしてください。
③4:6メソッドで抽出

時間と湯量を計りながら抽出するのでドリップスケールがあると便利です。

【4:6メソッドとは】
「誰でも簡単に美味しく」をコンセプトにした粕谷哲氏が編み出した抽出理論。
コーヒーの抽出に必要な総湯量を4:6に分け、最初の4割で「味」、残りの6割で「濃度」 を調節しながら淹れる方法です。

※コーヒー粉20g、お湯300ml、お湯の温度88度の場合の抽出表です。

「味」の調節
2回に分けて抽出
①50mlを注湯しながら45秒待つ
②70mlを注湯しながら45秒待つ

「濃度」の調節
3回に分けて抽出
③60mlを注湯しながら40秒待つ
④60mlを注湯しながら35秒待つ
⑤60mlを注湯しながら45秒待つ
—————————————
合計:300ml  210秒(3分30秒)

point:全て湯が落ち切ってから次の注湯を行ってください。

【特徴】                                                                        

基本のV60でも4:6メソッドはできますが、技術がいります。
粕谷モデルはリブを浅くし、空気の逃道を少なくるすることでゆっくり抽出するような工夫がされているなど、4:6メソッドに特化ししています。

昨今のコーヒーの流行は「際立つ印象的な風味特性があり、さわやかな酸性特性をいかに抽出するか」が問われていますが、
この粕谷モデルは、そんな豆本来の味を引き出してくれるドリッパー。

湯量と時間、両方を気にしながらのドリップは少し難しいですが、この通りに抽出できたら自宅で手軽にプロの安定した味を楽しめるドリッパーです。

V60透過ドリッパー02 粕谷モデル

 ハリオ ドリッパーまとめ

今回はハリオのドリッパーを比較しました。

私は基本のV60以外使ったことが無く、他のドリッパーの使い方には驚きました。
ドリッパー1つ1つにこだわりがあり、様々なドリップ方法があります。
気分やシーンに合わせて使い分ければさらに楽しめそうです。

コーヒーに決められた味はありません。
好きな香りや味、自分のこだわりがあるはずです。
ぜひいろんなドリッパーを使って自分の好みを探してみてください。

岩垣津さん!
本日はありがとうございました!

とっても美味しいコーヒーをいただけました。

個人的にもとても勉強になり、お家でのコーヒーづくりがもっと楽しくなりそうです!

Writer Profile

ito

入社3年目。20代一人暮らし。 道具やお料理のこと勉強中です。 料理は苦手で自炊はたまにでしたが、&(COOK)スタッフに加わったことで積極的に挑戦中。 料理初心者の私がここで知った道具のことを伝えていきます。

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