健康志向の高まりから、食材を選ぶ際に産地や原材料の表記を確かめてから購入する人も増えてきています。
最近は食材だけでなく、クックウェアも安全性の高さにこだわった製品が普及してきています。特に、フライパンは使う頻度が多いため、食を通じた健康づくり考える際、こだわって選び抜きたいクックウェアの一つです。
では、体に安全で安心して使えるフライパンとはどのようなものでしょうか。
今回は、フライパンの表面加工について、よく耳にする「フッ素樹脂コーティング」「セラミックコーティング」の違いから、安全性が高いとされる「グリーンパン」のフライパンの特徴を紹介します。
1. 安全性が高いセラミックコーティングのフライパンとは?
フライパンの表面加工・コーティングの種類には、「フッ素樹脂コーティング」や「セラミックコーティング」などがあります。
表面加工により、食材がくっつきにくくなる、お手入れの手間が少なくなるなど、料理を作るときのストレスを少なくしてくれる効果があります。反面、使い方によっては体に害を及ぼす可能性があることはご存じでしょうか。
フッ素樹脂コーティングとセラミックコーティングの違いや取り扱いの注意点などを見てきましょう。
フッ素樹脂コーティングとセラミックコーティングの違い
こびりつき防止加工とは、表面(調理面)をコーティングすることで、フライパン自体へのこびりつきを軽減させる加工方法で、主にフッ素樹脂コーティングとセラミックコーティングが用いられています。
フッ素樹脂コーティングには「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」が主に使われています。
フライパンをフッ素樹脂でコーティングすることで、食材がくっつきづらく、少ない油で調理できるなどのメリットにつながります。
ただし、水分がないまま高温で加熱された「空だき」状態だと、有毒物質を含むガスを放出する可能性があります。取り扱いに注意すれば過度な心配は不要ですが、“ついうっかり”が安全性を損なうこともあることに気をつけたい製品です。
セラミックコーティングのフライパンは、一般的に耐熱性と耐久性などに優れていて、長持ちしやすいという特徴があります。
セラミックコーティングのフライパンを使う上で注意する点は、コーティングが硬いため金属ツールを使うと表面(調理面)が欠けてしまう場合があります。
また、焦げ付き防止のためには、しっかり熱して少量の油を入れるとよいでしょう。
2. 安心安全なフライパンなら「グリーンパン」シリーズがおすすめ
セラミックコーティングのフライパンは、多くのメーカーから発売されていますが、中でも「グリーンパン」は、“製造時に有害物質を一切使用しないフライパン”として世界中で愛用されています。
なぜ世界で人気なのか。その理由を、グリーンパンが生まれた歴史や特徴、ラインナップから探っていきます。
IH対応で機能性に優れたグリーンパンの特徴とラインナップ
グリーンパンは、フッ素樹脂(PTFE)を使わずクックウェアにノンスティック(こびり付き防止) 加工をした、ベルギー発のブランドです。
有毒物資が出る可能性があるフッ素樹脂に変わるセラミックコーティングの安全性に注目し、2007年に特許取得のセラミック・ノンスティックコーティング「Thermolon™(サーモロン)」を開発しました。
■グリーンパンの特徴
グリーンパンシリーズの最大の特徴は、一般的なノンスティックコーティング製品とは異なり、製造時に有害な化学物質(PFAS)を使用しないセラミック・ノンスティックコーティングで調理器具にノンスティック(こびりつき防止)加工をしていることです。
もちろん安全性が高いだけでなく、機能性にも優れています。特にポイントなのが料理のできを左右する“熱ムラの少なさ”です。
遠赤外線効果があるセラミックコーティングに、熱伝導性が高いダイヤモンド粒子を配合しているため、表面(調理面)に熱が均一に伝わります。
また、底面に銅を配合した「マグニート加工」がされていることにより、熱変形に強く、熱伝導性に優れています。IH はもちろん、ガス火やさまざまな熱源に対応します。
■グリーンパンのラインナップ
グリーンパンシリーズは、10種類以上のラインナップがあります。
フライパンの加工表面にキズを付けやすい金属製などのツールの使用可否やIH対応、
キッチンのサイズやご家族の人数、デザインの良さなど、ご自身のライフスタイルに合ったグリーンパンを探してみてください。
■グリーンパンの主なシリーズ
シリーズ名 | 特徴 | 金属ツール使用 | IH 対応 | 食器洗浄機 対応 (※1) | オーブン対応 |
クリックシェフ | ハンドルが着脱可能でコンパクトに収納可能 | 不可 | 可 | 可 | 可(※2) |
ストゥディオ | 洗練されたデザイン、かつ軽く扱いやすい | 不可 | 可 | 可 | 可 |
パドヴァ | 高級感のあるゴールドのハンドルが目を引く | 不可 | 可 | 可 | 可 |
メイフラワー | 昔懐かしいヨーロッパのキッチンを彷彿させるデザイン | 不可 | 可 | 不可 | 不可 |
ヴェニス プロ | 機能性と耐久性を兼ね備えたタフなフライパン | 可 | 可 | 可 | 可 |
ウッドビー | ウッド調の樹脂ハンドルを組み合わせたナチュラルで温かみのあるデザインが魅力 | 不可 | 可 | 不可 | 不可 |
※1:食洗機を使用することができますが、コーティングの質を長持ちさせるため手洗いをおすすめします。 | |||||
※2:ハンドルは対応していないので取り外してください。 |
ここからは、特におすすめの2種類をご紹介します。
ハンドルが取れて食洗機で洗えるフライパンセット「クリックシェフ」
■こんな人におすすめ
・キッチン用具をスマートに収納しキッチンまわりをすっきりさせたい人
・フライパンをお皿の代わりにして洗い物を減らしたい人
「クリックシェフ」は、ハンドルが着脱できる最新モデルです。重ねてコンパクトに収納ができるだけでなく、 調理した後そのまま食卓に並べることもできます。
ハンドルがあると洗い物や収納の場所を圧迫しがちですが、ハンドルを外してお皿のような感覚で洗えます。さらに食器洗浄機(※)も使用できるので、忙しい毎日を助けてくれるキッチンツールの一つとしても活躍してくれます。
※食器洗浄機を使用可能ですが、コーティングの質を長持ちさせるため手洗いをおすすめします
フライパンは小さめの20cmと、やや大きめの26cmの2タイプあり、料理によってフライパンのサイズを使い分けたい人におすすめです。
クリックシェフ 4点セット クリームホワイト
マルチサイズ(20・24・26・28cm)で、長く便利に使えるIH対応グリーンパン「ヴェニス プロ」
■こんな人におすすめ
・料理することが多くずっと愛用したい人
・1人暮らしで調理用具を使い回したい人
「ヴェニス プロ」は、金属製のキッチンツールと一緒に使えるタフなフライパンです。料理面のセラミックコーティングにはダイヤモンド粒子を配合し、本体のアルミ素材にもキズや衝撃に強い「スクラッチガード加工」がされています。耐久性抜群なので、調理回数が多い人におすすめです。
フライパンは、20・24・26・28cmとサイズが豊富です。特に24cmは、様々な料理に使える万能なサイズ感で、1人暮らしで一つの鍋でいろいろな料理をしたい人に最適です。IHとガス火の両方に対応しているので、引っ越しなどでキッチン環境が変わっても安心なのもうれしいポイントです。
また、さまざまな料理に使い回したいからこそ気になるのが取り回しやすさ。持ち手がしっかりなじむ形状かつ細身なので扱いやすく、手の小さな方でもしっかり握れます。
ヴェニス プロ フライパン 24cm IH/ガス火対応
3. エシカルなフライパンやクックウェアで体に健康、地球にやさしく
グリーンパンは、フッ素樹脂(PTFE)だけでなく、環境中で分解されにくく長期的に残留する可能性がある PFOAのみならずその代替であるすべての有機フッ素化合物群「PFAS(ピーファス)」や、鉛やカドミウムといった、人体や環境に影響を及ぼす可能性がある化学物質を創業当時から一切使用しないというポリシーを大切にして、ヘルシーなクックウェアをつくり続けるブランドです。
クックウェアは、健康の資本となる食材の調理に欠かせません。だからこそ選ぶ際には機能性だけでなく、地球環境や人や生き物にやさしく、安全安心かというエシカルな視点も気にかけたいですね。